3月12日 撮影分

 

 

 

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影一と奏美が淡々と写真を撮っているシーンをつなぐ

間にちょっとした会話がある


口調、イントネーション、アクセント、間の置き方、語尾感など

細かいところは現場で調整

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【3/12(火)】


▲AM   平原、桜井   


🔴使用箇所 冒頭部、最初の「掴み」シーンの直後。(第1景に属す)「登場人物紹介」的なメタ性を出す


撮影内容


◼️1 奏美 葉の緑、光線、沿道


腰をかけている 

●正面バストショット フィックス 

顔の陰影をある程度レフ板で作り込む 

セリフなし ナレーション(以下N)あり(後日録音 注1)

帽子、飾り物を色々と試す、前髪が風に揺れる、

タバコの「吸い真似」をする  男の手がフレームイン、手にもつライターで着火 ●横、クローズアップ、リップクリームを塗る 続いて赤い紅を引く 小さい手鏡で自分の顔を覗く 鏡に映る自分の顔(以上撮影時間30分 使用時間5分) 


(注1)N録音は後日、ノガミの部屋で 作成者は未定

 

 

 

◼️2   影一 ロケは1に同じ 


腰かけている 

●正面バストショット フィックス 

撮影カメラに向けてカメラのシャッターを切っている 時折左右を確認 

セリフなし Nあり(後日録音注1  )

●フル(orニー)ショット フィックス 

ちょっと高い段上などからシュッ、フワッと飛び降りながら撮影する「飛び撮」を試みる 

●正面バストショットに戻る フィックス 

「飛び撮」の他に「放り撮」があることがナレーションで語られ、「放り撮」が試みられる。(スマートフォンのカメラアプリでタイマーセッティング<0>の時点で空中に位置するように放り投げる手法 大したコンセプトはあるがこれもナレーションで語られる (注2)

●正面バストショットに戻る 

(N)つづけて、この「飛び撮」「放り撮」にも飽きてしまったことが語られる。かつて知識人のおっさんに絶賛されたが、どうでも良くなった。(以上撮影時間30分 使用時間5分)


(注2)N録音は後日、ノガミの部屋で 

 

 

◼️3

奏美、影一、沿道、小さな緑地、ベンチ、光線、

ベンチの上で「吊り撮」のセッティングをしている奏美 

(ニー、ボトム、フル、複数アングル切り替え)

使用衣服 黒のジャケット ピンクのTシャツ ジーンズ

奏美 黒ジャケットの首部を吊り、半身起きているような形を吊り棒で作る 

その光景を見ながら

影一、自らの写真論をぶつぶつ言いながらカメラの調節をしている(正面、ボトム、フィックス)パゾリーニ風)(🟦影一セリフ即興)

パゾリーニ風の律儀な正面カットバック、フィックス)


奏美「カゲさん、早く撮ってください。」

影一「はいはい、腕だるい?」

奏美 うなづく

影一「行き場のない人型を撮る、いや亡骸(なきがら)を撮る、この虚しさよ。」

奏美「この者は行き場を与えられたのでしょうか。たとえ亡骸であっても。」

影一「霊としてここに復活したのだ。」

奏美「カゲさんには才能があります。」

影一「うん、わかってる。」

奏美「ただし、天才ではありません。」

影一「奏美さん、ここは<吊り撮>ではなく、<飛び撮>ではなかなろうか?」

影一、高い所から飛ぶ。

奏美「そう察しましたか。さすがでございます。でも一度きめたこと、<吊り撮>を極めなければなりません。」

影一「風景をただちに変えなければ、風景に釘を打って。」

奏美「戦場で死者が出るたびに、ワタクシたちは、亡骸を吊って、供養せねばなりません。それを写真に撮って冥界に返してやるのです。」

影一「しかし戦死者が、、こんなピンクのTシャツ着てますか?」

 

(以上撮影45分 使用時間5分)


                    午前の撮影終了

 

 

 

▲PM  平原、桜井


🔴使用箇所 中盤部1(第?景に属する)


◼️4 人通りの薄い住宅街の道路、自動販売機がある

フルショット フィックス

奏美

自販機の取り出し口から 長袖シャツの片方の袖を吊りあげている 

影一、さまざまなアングルを試す

影一「もう少し上かな?」

奏美「はい。」

影一「もう少し右」

奏美「はい。」

シャツ袖口のアップ

影一「手がない。」

奏美「手が欲しいのでしょうか。」

影一「いや、そうではない。」

奏美「死者は死者のままではいられません、この世に執着する限り。」

影一「亡骸が、、、亡骸であることをやめたがっているような、、そんな気がする。」

奏美「しかしなぜ、ここで?」

影一「それがわからない。喉が乾いている、その人の元に自動販売機が飛んでやってくることはない。人々は自動販売機に向かって歩まなければ。奏美さん、あれを。」

奏美「はい。」

道路地面に水をぶっかけ、ショッキングな効果を狙う(中平卓馬的な?)

自販機前の袖口、水模様、アップ

奏美「喉が渇くのは避けられません。たとえ霊でも喉が渇く。」

影一、バシャバシャとシャッターを切り始める。(中腰、しゃがむ)

影一「この霊は本当に地獄を見たのだと思う。何があったのか?」

奏美「やはり喉の渇きから死を選んだのでは?」

影一「火炙りの刑にあったのだ。だから水を欲しているのか。」

奏美「罪人の霊?」

影一、立ち上がり、二人、顔を見合わせる

遠くから打音が響いてくる

(撮影時間60分 使用時間5分)


🔴使用箇所 中盤部2 (第?景に属する)


◼️5 千歳中学校へ向かう途中


影一「今日も風景に釘を打つ。ただちに風景を破壊しなければ。」

奏美「カメラの充電はちゃんとしました?」

影一「したよ。風景解体機械は今日も順調に動く。」

奏美に向けてシャッターを切る。

奏美「風景は顔だ、と言っていた哲学者がいましたよ。」

影一「そいつはいいことをいう。顔も風景と同様に消費できるってことかな。、、しかし身体も顔もない亡骸だけを持ち歩くことは…。人型に人あり。ゆえに霊あり、か。だとしたら霊は質量ではなく、容積???」

奏美「亡骸を持ち歩く、この重みよ、悲しみよ、虚しさよ。」

影一「古着屋は墓場だ。墓に閉じ込められた骨、その骨を持ち帰るようなもんだな。古着を買うという行為は。」

奏美「古着屋という墓場から出てきた亡霊。」

影一「ついでにいうと図書館も墓場っぽくていいね。本が墓石に見えることがある」

奏美「たとえばこのシャツがどういう経緯をたどって今ここにあるのか?全くわかりません。だけどこのシャツを着たその人の人生は確実にあった、ということはわかります。」

影一「そうすべての古着は身元不明なんだ。その服を着たそいつの人生があった、ということはわかるけど、どういう人生なのかはわからない。だから売買が可能になる。、、あっここがいいかな、学校前。」


奏美「あそこを曲がると公園があるのよ。そこに行きましょう。」

影一「公園も霊のすみかだね。ありとあらゆる公園にそれを感じるな。」


(撮影時間40分 使用時間5分)


◼️6  千歳中学校横 公園 


影一「風景を解体するってことは、風景に幽霊を導入するってことなんだ。そこに写真のポエジーがある。」

奏美「わかっています。」

影一「わかってくれるのは奏美だけだよ。」

奏美「そうあってほしいです。」

影一「雨の音は好きか?」

奏美「うーん、その時の気分によりますね。」

影一「坂本龍一は雨音は一つ一つ違うって言うんだ。信じられないよ。」

奏美「そうですか?」

影一「どうして?一つ一つ違う?」

奏美「傘をさしているとき、よく聴いてみると違うな、って思ったことはあります。」


以下 🟦即興的に会話は進む


(撮影時間60分 使用時間5分)

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以上3月12日 映画内使用時間 計約30分分撮影予定 

(移動時間 休憩 撮影時間 含め AM10〜PM4くらい)

(集合はAM9 に京王線千歳烏山駅→いったんノガミの部屋でメイク、衣装合わせ→徒歩数分→10時より撮影開始)